Exhibitions

 

KEN NAKAHASHIでは、2019年1月11日(金)から2月2日(土)まで、グループ展「Soft Mirrors」を開催いたします。

「Soft Mirrors」では、KEN NAKAHASHIのギャラリーアーティスト8名による新作を中心とした作品を発表します。

展覧会のタイトルである「Soft Mirrors」には、物と物、事と事、人と人との間を見極め、相互にそれぞれのもつ特異性や才能を明確にしつつ、共に集団的物語を築いていこうという思いを込めました。それぞれの鏡は向かい合い、反射し合い、その向こうに見たことのない風景が見えてきます。

森栄喜は、2018年フェスティバル/トーキョーで発表した朗読パフォーマンスの記録映像「A Poet: We See a Rainbow」(製作: フェスティバル/トーキョー、撮影:高橋明大、衣装:山縣良和、音楽:宮形恭平)と、「Family Regained- The Splash: We brush our teeth, and take a shower, put on pajamas and go out into the street」を上映します。ギャラリーが自然光に包まれた昼間は天井に、日が落ちてからは窓にふんわりとかけられた薄い布に投影され、刻々とその表情は変化していきます。

ドイツ在住のエリック・スワーズはミニマルな要素が特徴の小作品2点を、死や老いといった概念をダイナミックかつ壮麗に表現する大垣美穂子はMilky Wayシリーズのドローイング作品を展示します。

松下まり子は海外への旅や東京での日常を通じて、痛みや抵抗という場から、人間一般の包摂的な場へと、作品を作り出す意味を見出してきています。新作のペインティング2点を発表します。

ヨーガン・アクセルバルは「Soft Mirrors」をテーマにした詩を写真に添えました。

レン・ハンの写真作品は、約2年前に開催したグループ展「LOIVE」にて発表予定だったものです。グループ展「LOIVE」の終了後、東京に到着したこの作品は、結局展示されることなく、レン・ハンはその後2017年2月24日にこの世を去りました。

広島在住の井原信次は、昨年開催した個展「MEYOU」に引き続き、自己(ME)と他者(YOU)の距離を近づけようとするテーマで制作した新作の2点を発表します。

海老原靖は新作の「in the darkness」を展示します。これまでの淡い明るい光に包まれたような作風から、淡い紺を何層にも重ねたダークな印象に変化した新作をご覧ください。

出展作家: 森栄喜、エリック・スワーズ、ヨーガン ・アクセルバル、松下まり子、大垣美穂子、任航(レン・ハン)、井原信次、海老原靖

Exhibiting Artists

森栄喜

BIO

1976年、石川県金沢市生まれ。パーソンズ美術大学写真学科卒業。写真集「intimacy」(ナナロク社、2013年) で第39回木村伊兵衛写真賞を受賞。

東京をベースにする森栄喜は、特にその写真作品で知られていますが、近年では、同性婚や多様化する家族形態、ジェンダーアイデンティティーについて、友達やその家族のポートレート、そして自らもカメラの前に立ち、被写体とともにフィクショナルな状況を演出する作品を発表しています。身近な共同体=社会形態の小さな一つの縮図を、多様な家族形態やセクシャリティーの実例として、視覚的に訴えようとしています。写真の他、映像、パフォーマンス、文章や詩、ファッションデザイナーとのコラボレーションなど、複数のメディア・領域を通した表現で活動を広げています。

intimacy

恋人や友人との一年間を撮影した、264ページに及ぶ日記のようなintimacyシリーズ。2013年、森栄喜は写真集『intimacy』で第39回木村伊兵衛賞を受賞。

Family Regained 

対象である家族を観察し、社会学的領域でのパフォーマンスを写真に昇華することで、可視/認知化されたビジュアルを広めていこうとする作品。友人とその家族、または二人の男性、一人たたずむ男の子、彼らの住まいや庭などで、約3年間をかけて撮影した写真シリーズ。また、現代の家族についての問いを投げかける二つのパフォーマンス作品として、一人の男性、男の子、そして森自身が想像上の家族として東京の街へ飛び出していくという記憶を映像作品にしたもので構成されている。全て真っ赤なこれらの写真・パフォーマンス映像は、血の赤という普遍的な色のフィルターを通して、周りの社会に溶け込まず、舞台の一部を切り出したかのような風景を鑑賞者に示します。

Selected works

BOOK

  • 『Family Regained』(ナナロク社、2017年)
  • 『intimacy』(ナナロク社、2013年)
  • 『tokyo boy alone』(レボリューション・スター・パブリッシング、台湾、2011年)
  • 『CROWS AND PEARLS』(Edition Nord、2009年)

press


エリック・スワーズ

エリック・スワーズは、ブルグ・ギービヒュンシュタイン美術デザイン学校にて、プロクシュテースに師事し、2016年にディプロマ課程を修了。2013年から14年にかけて東京芸術大学にてO JUNにも学んだ気鋭作家です。

これまで、新ライプツィヒ派の超現実主義的絵画や、キリコなどの形而上絵画を彷彿とさせる、幾何学的なランドスケープを鮮明な色彩で画面いっぱいに描いていたスワーズ。プロクシュテースとの師弟関係の中で制作を続ける過程で、近年では水墨画を彷彿とするようなミニマルな要素が特徴となってきました。ジェッソと不透明水彩グワッシュを何層にも重ねて作り出された素地に、濃紺の薄い油絵の具で敢えて塗り重ねず、筆を運ぶときの勢いの強弱や、かすれを活かした渇筆の線で作り出されるスワーズの作品は一瞬の絵画とも言えます。古典絵画が印刷されたカタログ、インターネット上のイメージなどを創造の源に、あえてはっきりとした正面性をつくらず、様々な方向に視点を導く広がりを持ったイメージを描き出しています。

2017年ライプツィヒGalerie Kleindienstでのグループ展、2016年ライプツィヒSpinnerei Archiv massivでの個展、2013年JIKKAギャラリーでの個展、またKEN NAKAHASHIでは2017年アートフェア東京でのソロプロジェクトの他、これまでに2014年・15年・17年と3度の個展を開催しています。

ヨーガン・アクセルバル

1972年、スウェーデン生まれ。

NYで15年間を過ごした後、2011年から東京在住。

2013年、アメリカ版VOGUE誌とボッテガ・ヴェネタが開催した「NEW EXPOSURE賞」のインターナショナル・ウィナーを受賞。

book

  • "Instant Moments" super sonic、2014年
  • "I was looking for Park Hyatt Tokyo" Park Hyatt Tokyo / amana、2014年
  • "OIDE" hand made, limited edition of three, Self published / FORT、2015年
  • "Go To Become" roshin books、2017年


松下まり子

BIO

1980年大阪生まれ。京都市立芸術大学油画専攻卒業。東京在住。

当ギャラリーではこれまでに、2015年「MARIKO」、2016年「IDO」、2018年「RAW」と過去3度の個展を開催してきました。2016年第2回CAFAA賞にて最優秀賞を受賞。

松下まり子の作品には性愛と生きる上での痛みという題材が繰り返し現れてきます。そのペインティングは力強いエネルギーを宿し、モデルや自分自身との親密な関係を経て制作されています。

絵画表現だけでなく、パフォーマンス、映像、写真、インスタレーション、文章など新たなメディアを用いた表現へと活動を広げています。


SELECTED WORK


Residence

  • 2017年7月~9月: 英・デルフィナ財団(ロンドン)


BOOK

  • "MARIKO" matchbaco発行、2015年


COLLABORATION

  • pays des fees、2017年
  • あちゃちゅむ、2017年


media coverage


大垣美穂子

bio

1973年富山県生まれ。1995年に愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業し、1996年からドイツ国立デュッセルドルフ・クンストアカデミーに留学。2004年に同大学を卒業し14年間ドイツで活動した後、2010年にその拠点を日本に移しました。これまでデュッセルドルフ、ニューヨーク、京都、東京など国内外にて数多くの展覧会を開催。2003年、ノルトライン・ヴェストファーレン州のミュージアム・バーデンで行われた展覧会「57回ベルギッシェ・クンスト・アウスステールング」にてオーディエンス賞を受賞。2018年は、KEN NAKAHASHIでの個展に続き、ドイツ、スペインでの個展を開催予定です。その作品は、国内外の個人コレクターに多数所蔵されています。

立体、インスタレーション、ドローイングなどで、 「生」や「死」をテーマに国内外で作品を発表しています。無数の穴があけられ、銀河のような光を放つ年老いた人物をかたどった立体《Milky Way》シリーズ、メルセデス・ベンツを解体し無数のビーズで装飾し、 かつて日本で多用されていた宮型霊柩車に仕立てたものの内部に鑑賞者が「死体」として身を横たえる《before the beginning – after the end》といった作品、 また自身の身体をモチーフに「生きていることの実感」と「死を思うこと(メメントモリ)」の確認作業とも言える、 無数の点が画面を覆い尽くすように描かれたドローイング《Star Tale》シリーズなど、死や老いといった概念をダイナミックかつ壮麗に表現してます。

book

  • 「大垣美穂子 WHO」発行・編集・デザイン 杉原州志、2013年

MEDIA

LINKS

任航(レン・ハン)

任航は1987年中国・吉林省長春市生まれ。「性」がタブーとされる中国で、友人をモデルにヌードを中心に撮り続けた、中国を代表する若手現代写真家です。彫刻のようにポーズをとる男女のヌードを、目の覚めるような色彩感覚と詩的な叙情性で表現します。

これまでに北京、パリ、ニューヨーク、東京など世界各国の主要都市で展覧会を開催し、パリフォトやフォトバーゼルなど数々の国際的アートフェアに出展。2010年にはイタリアTERNA現代芸術賞に入賞。2011年、自費出版による写真集「REN HANG 2009-2011」と「ROOM」を発表し、以降多数の写真集を刊行。

また作品は、ロシアのマルチメディア美術館、中国の中央美術学院美術館、アメリカのカンザス州立大学美術館、中国の三影堂撮影芸術中心、オーストラリアのホワイトラビット中国現代アートコレクション等にパブリックコレクションとして収蔵されています。

book

  • 2016, ATHENS LOVE 雅典的爱, Session press, USA
  • 2016, 二月 FEBRUARY, Self-Published,China
  • 2016, 一月 JANUARY, Self-Published, China
  • 2015, 海鲜派对 Seafood Party, Self-Published, China
  • 2015, 上海游客 Shanghai Visitors, Self-Published, China
  • 2015, NEW LOVE 新欢, Session press, USA
  • 2015, 野生, Die Nacht, Germany
  • 2015, FOOD ISSUE, Same studio, China
  • 2014, PHYSICAL BORDERLINE, ThreeShadows +3 Gallery, China
  • 2013, THE BRIGHTEST LIGHT RUNS TOO FAST, Editions Bessard, France
  • 2013, SON AND BITCH, Neurasthenia, Taiwan
  • 2013, Republic, Éditions du LIC, Norway
  • 2013, MY DEPRESSION, Self-Published, China
  • 2012, NUDE, Self-Published, China 
  • 2011, ROOM, Self-Published, China 
  • 2011, REN HANG 2009-2011, Self-Published, China
  • 2013, Poem Collection of Renhang, Neurasthenia, Taiwan

井原信次

Bio

1987年福岡県生まれ。2012年 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画技法・材料研究室修了。広島在住。

自画像や身近な存在を描いたLIFEシリーズの他、作家の故郷である福岡の祭、博多祇園山笠を題材にしたMATSURIシリーズ、画家の諏訪敦をモデルに描いたSシリーズなどを発表してきています。

主な展覧会に「新進芸術家選抜展 FAUSS」(3331 Arts Chiyoda/東京 2018)、「博多祇園山笠男絵図」(旧matchbaco/東京 2016)、「RENDEZVOUS」(旧matchbaco/東京 2015)などがあります。広島私立大学芸術資料館やルチアーノ・ベネトンコレクションなどに作品が収蔵されています。

book

  • 「RENDEZVOUS」matchbaco発行、2015年


Column



SELECTED WORKS


海老原靖

bio

1976年茨城県生まれ。2001年東京芸術大学大学院修士課程修了。

絡み合う髪の毛を描いた《LUST》シリーズ、華やかなドレスを描いた《dress》シリーズ、映画のワンシーンを切り取った《NOISE》シリーズ、90年代に爆発的人気を得たマコーレー・カルキンを消費された子役の象徴的な存在として描いている《マコーレー・カルキン》シリーズなど、消費され消えゆく映画の細部をモチーフに、人々の記憶からも時間とともに消えていってしまうものについて探求している。繊細な筆のタッチで何層にも重ねられた油絵にとどまらず立体、写真、パフォーマンスなど様々な形で消えゆこうとするものを美術の場に蘇らせています。

book

  • 「tarot」KEN NAKAHASHI発行、2017年
  • 「if...」matchbaco発行、2014年

merchandise

  • 「Tarot CULKIN」私家版 タロット・カード、2017年