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大垣美穂子 「Milky Way—Breath」

  • 2026年9月11日(金)ー10月17日(土)
  • 開廊日時:火—土、11:00-18:00
  • 休廊:日・月・祝
  • オープニング:9月11日(金) 17:00-19:00


KEN NAKAHASHIでは、2026年9月11日(金)から10月17日(土)まで、大垣美穂子による個展「Milky Way—Breath」を開催いたします。


人間を語ることは、すなわち宇宙を語ることにほかならない。

極小の光と等身大の身体、そしてすべてを包み込む暗闇。この三者が織りなす関係のなかで、大垣は一貫して人間と宇宙のあいだに通う一筋の光を探り続けてきました。

大垣美穂子の代表作「Milky Way」シリーズは、銀河のように光を放つ人体をモチーフとした立体インスタレーションです。暗闇のなかに浮かび上がる無数の光の粒は、人間の内側に潜むさまざまな感情の象徴であると同時に、私たちの身体を構成する元素がかつて星の破片であったことを想起させます。

本展では、「Milky Way」シリーズの新作2点を発表いたします。


大垣は以前より、老いや死へと向かう身体に関心を寄せてきました。近年はデイサービス施設で介助の仕事を続けながら制作を行っており、身体に直に手を添え、見つめ、言葉を交わす日々が、制作の源として積み重なっています。粘土で原型を起こし、石膏で型を取り、FRPで像を成形していく工程のなかで、当初の像とは異なる歪みが少しずつ現れてきます。「その歪みが、まさしく年をおいた人でなければ出ない歪みだったりする」と大垣は語ります。手と素材のあいだに生まれる微細なずれを、大垣は退けることなく、ありのままの像のかたちとして引き受けていきます。そうした身体や素材との対話の積み重ねが、本展で発表される新作にも深く反映されています。


本展の開催にあたり、大垣は「Milky Way」シリーズ初期から探求してきた主題へと、あらためて向き合いました。初期作において一貫して探求されてきたのは、人間の身体を宇宙的な存在として捉える視点でしたが、介助の現場で日常的に身体と向き合う経験を経て、その眼差しはより切実なものへと変化しています。


本展では、死へと向かう身体を主題とした新作が発表されます。その表面に穿たれた無数の穴から溢れ出す光によって、肉体の輪郭はほどけ、呼吸するように空間全体へと拡散していきます。個としての終焉ではなく、肉体が光のなかへ溶け出し、宇宙という大きな循環のなかへ静かに還っていくような世界が、そこには広がっています。


絶え間なく続く時間の流れ、宇宙との結びつきのなかで、私たち人間とはいかなる存在なのか。

本展が、私たち自身の身体と存在について静かに思いを巡らせる時間となれば幸いです。





大垣美穂子

アーティスト。1973年富山県生まれ。茨城県在住。愛知県立芸術大学卒業後、1996年よりドイツ国立デュッセルドルフ・クンストアカデミーに留学。16年間にわたりドイツで活動したのち2010年に帰国。人体と宇宙をめぐる壮大なインスタレーションを国内外で展開。主な展覧会に「Milky Way–before the beginning–after the end 2021」(原爆の図丸木美術館、2021年)、「THE BODY—身体の宇宙—」(町田市立国際版画美術館、2019年)、「Threshold」(KEN NAKAHASHI、2017年)、「project N 54 大垣美穂子」(東京オペラシティアートギャラリー、2013年)など。

Milky Way—Breath
Milky Way—Breath
© Mihoko Ogaki "Milky Way—Breath13" 2026, FRP, LED, Dimmer, Wood, 90 x 26 x 56 cm
Milky Way—Breath