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KEN NAKAHASHIでは、2023年7月28日(金)より9月2日(土)まで、森栄喜「ネズミたちの寝言|We Squeak」を開催いたします。




「ネズミたちの寝言|We Squeak」


森栄喜の新たなインスタレーション作品《ネズミたちの寝言|We Squeak》を発表します。

本作品は、私的領域で、眠りながら、ひとりで行う抗議運動がテーマとなっています。

互いにループ再生され、受信され、偶然性、混成性を一つの空間に発生させる要素としての、映像やサウンド、オブジェが配置されます。


年齢、病気、障害、人種、階級、ジェンダー、セクシャリティーなどが複雑に絡み合いながら存在する、われわれ一人一人の人間。

監視や取り締まりが強化され、消費、資本化された都市では、順応できないその身体は<場違い>になり、追いやられどこにも居場所がありません。

象徴的な作品のない脱中心化されたこのインスタレーションは、支配的な秩序を静かに転覆させる、安全な空間、他なる世界を作り出す、ベッド・ルームのような場所です。

スローガン、マニフェスト、プロパガンダにみられるような言葉ではない、寝ぼけて少々錯乱した、たどたどしく孤独な口笛で行う異議申し立てを、この場所から試みます。


国家、異性愛、家父長制、資本主義、再生産労働など、張りめぐらされた緊密な網、規範を通り抜け、無防備で直感的な眠りでつながり作られていく共鳴意識。

孤独と連帯のはざまで、私たちは、本当に目覚めるまで、朝陽が満ちてくる前の、または昼間の薄明るい空間で、今日も眠っています。




森栄喜

1976年石川県金沢市生まれ。パーソンズ美術大学写真学科卒業。東京に在住、活動しています。

写真集『intimacy』で第39回(2013年度)木村伊兵衛賞を受賞。

初期の写真やパフォーマンスに加え、サウンド・インスタレーション、映像、ドローイング、詩や短編の執筆など、多岐にわたる表現を展開。

既存の概念や規範を揺り動かしうる周縁化された声や存在を感じ合い、それらの「小さな波」を集めて大きな波を作り出そうと実践を続けています。

主な展覧会に「高松コンテンポラリー・アート・アニュアル vol.10 ここに境界線はない。/?」(2022年、高松市美術館、香川)、「フェミニズムズ/FEMINISMS」(2022年、金沢21世紀美術館、石川)、「シボレス|破れたカーディガンの穴から海原を覗く」(2020年、KEN NAKAHASHI、東京)、「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家vol.15」(2018年、東京都写真美術館、東京)、「Family Regained」(2017年、KEN NAKAHASHI、東京)など。




森栄喜「ネズミたちの寝言|We Squeak」

  • 2023年7月28日(金)-9月2日(土)
  • 火-土 11:00-18:00
  • 日・月 休廊
  • レセプション: 7月28日(金) 18:00-20:00


PRESS RELEASE–July 16, 2023

HANDOUT–July 24, 2023


ネズミたちの寝言|We Squeak
ネズミたちの寝言|We Squeak
ネズミたちの寝言|We Squeak
ネズミたちの寝言|We Squeak
ネズミたちの寝言|We Squeak
展示風景(撮影: 齋藤裕也)Installation View (Photo by Yuya Saito)