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KEN NAKAHASHIでは、2022年7月9日(土)から7月31日(日)まで、松下真理子による特別作品展示「人間の声」を開催いたします。

2021年、現代芸術振興財団で開催した個展「人間の声」にて発表した作品の一部を再展示いたします。


以下に、松下真理子の文章を掲載します。



「人間の声」


私がここに、語ろうとすることも、

あの小さな声の一つにすぎないのかもしれません。

しかし、すべてを盗まれた底においてさえ、

忘却を押しかえす小さな声は

沈黙と同じではありません。

私は針のようなあの声を聞かずにいられないし、

私の身体のあちこちにも穴があいて、

叫びと化すのを隠しておくことができません。


私はあの人間の声に従い、

暗闇に次の飛び石をおこうとしています。

この一連の飛び石の配置は、

その前に人間が滅んでしまわなければ、我々を

否定のないどこでもない所へと連れて行くでしょう。

激しい風の跳躍が、徴しをつけるところへ、

私は手を差しのべています。


2021年 10月 松下真理子



松下真理子は1980年大阪生まれ。2004年に京都市立芸術大学美術学部油画専攻卒業。

2016年、第2回CAFAA賞において最優秀賞を受賞し、英ロンドンのデルフィナ財団のアーティストインレジデンスにも参加しました。

国内だけでなく海外での活躍も期待されています。

主な展覧会に「居住不可能として追放された土地」(個展、KEN NAKAHASHI、東京、2020年)、「愛の飾らぬことばにおいて」(個展、銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM、東京、2020年)、「IDO」(個展、matchbaco、東京、2016年)などがあります。


[展覧会概要]

  • タイトル: 松下真理子「人間の声」
  • 会期: 2022年7月9日(土)-7月31日(日)
  • 開廊時間: 水・木・金 11:00-19:00、土・日 11:00-17:00
  • 休廊: 月・火
  • 事前予約は不要です
  • 2022年6月KEN NAKAHASHIより「人間の声」アーカイブ冊子を発行