Exhibitions

 

KEN NAKAHASHIでは、2018年1月12日(金)から27日(土)まで、ステファン・サラザン氏によるキュレーション企画により、アメリカビデオアートのセカンドウェーブの中でも重要なアーティストであるジョン・サンボーンの個展「Entre Nous, Between Us」を開催いたします。

ビデオアート創世記から今日の最先端のデジタルメディアまでを幅広く扱ってきたジョン・サンボーン。枠にとらわれない音楽・振付・編集の手法は多くの著名な作曲家やダンサーを惹きつけ、数多くの共同制作も行なってきました。

本展「Entre Nous, Between Us」では、近年に制作された3つのビデオ・インスタレーションを紹介します。

微妙なニュアンスに込められたものや、小さな事実など、それらが曖昧でとるに足りないことであっても逃さないように我々の存在の特異性を証明しようと考察した美しい旋律のメッセージ「Entre Nous」(2-channel、2017年、14分)。

表象と静けさについて訴えかけ、記憶の解放を導こうとするビデオ・インスタレーション「Serene Duet」(2-paired-channel、2017年、3分)。

そして、現代におけるジェンダー・ポリティック・ウォリアーがその人格特性と課題について神話上の登場人物に成り代わり、ニューエイジ思想における新しい神々のビデオポートレートを構築する「Mythic Status」シリーズから、ジェンダー・クィア ポルノスターでアクティビストであるジズ・リーが真実と予言、音楽、芸術の神であるアポロを演じる「Apollo」(HD Video + Sound、2015年、11分)、情報テクノロジーの専門家であるラムセス・ロドスタインが半神半人デミゴッド、ギリシャ神話の英雄であるヘラクレスを演じる「Hercules」(HD Video + Sound、2016年、10分)の2作品を大画面モニターを使用したインスタレーションで発表します。

サンボーンの作品は、ホイットニー美術館、ニューヨークのMOMA、マドリッドのプラド美術館、パリのポンピドゥー・センター、ロンドンのテイト、また東京の旧西武美術館など、数多くの世界を代表する現代美術館で発表されて来ました。最近では第40回ミル・バレー映画祭にて生涯功労賞を受賞。また2018年には、メディアアート作品の世界最大のコレクションを所蔵する機関であるZKM カールスルーエ・アート & メディア・センターでも展覧会が開催される予定です。これまでにコラボレーションしてきた作家には、ロバート・アシュリー、ビル・T・ジョーンズ、フィリップ・グラス、トワイラ・サープ、ミハイル・バリシニコフ、ザ・レジデンツなどがいます。また、ミュージック・ビデオではナイル・ロジャース、サミー・ヘイガー、タンジェリン・ドリーム、ピーター&ゴードン、グレイス・ジョーンズ、キング・クリムゾンやヴァン・ヘイレン、佐野元春など、40曲を超えるディレクションも手がけています。パリの高等映画学校(ESEC)名誉教授で、近年ではフランス共和国より芸術文化勲章で、騎士の称号を授与されています。